「最近、前より疲れやすい」「ちょっとしたことでイライラする」「急にカーッと熱くなって汗が出る」
40〜50代になると、こんな変化を感じて「もしかして、更年期かな?」と不安になる方は少なくありません。
薬やサプリも気になるけれど、できれば自分の体は自分で整えたい。 そのとき、いちばん身近で、かつ効果が期待できるのが「運動」です。
とはいえ、今の体調で運動しても大丈夫?と、最初の一歩で止まってしまう方も多いはず。
この記事では、メディカルフィットネス(医療と連携した運動)の視点から、 「更年期障害のときに運動しても大丈夫なのか」「どんな運動が、どの症状に効果的なのか」を、現役トレーナーがわかりやすくお伝えします。
Contents
更年期障害はそもそも運動して大丈夫?
「更年期っぽい症状があるけれど、この状態で動いて平気なの?」まず、ここがいちばん気になるポイントだと思います。
実は、適度な運動は更年期症状の軽減や生活の質の向上に役立つことが、国内外の研究からも報告されています。
更年期は、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な変化によって、自律神経のバランスが乱れやすくなる時期です。その影響で、ほてり・のぼせ、発汗、動悸、だるさ、気分の落ち込みなど、さまざまな症状が出ます。
ウォーキングなどの有酸素運動や、筋力トレーニングを続けることで、骨密度や筋力の維持、血中脂質の改善、イライラ感の軽減などが期待できるとされています。
ただし、どんな方でも無条件に「運動OK」というわけではありません。
次のような場合は、自己判断で無理をせず、まず医師に相談しましょう。
- 胸の痛みや強い動悸、息切れがある
- もともと心臓病・狭心症・不整脈などを指摘されている
- 強い高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病がある
- めまいやふらつきが頻繁に起こる
- 関節痛が強く、歩くのもつらい
一方で、医師から特別な制限を受けていない方であれば、
「少し息が弾むくらいの軽めの運動」から始めるのはむしろプラスになるケースがほとんどです。
エターナルフィットでは、体調や既往歴を確認しながら、内科クリニックと連携したうえで運動プログラムを組み立てていきます。
更年期障害はどんな運動が効果的
更年期の運動では、次の3つをバランスよく取り入れるのがポイントです。
- 有酸素運動(歩く・自転車など)
- 筋力トレーニング(筋トレ)
- 短時間・低負荷で行える加圧トレーニングなど、専門的なメニュー
それぞれが体にもたらす効果を、もう少し具体的に見ていきましょう。
有酸素運動
ウォーキングや軽いジョギング、自転車こぎなどの有酸素運動は、更年期世代にとても相性のいい運動です。
主なメリットは、以下の点です。
- 自律神経のバランスを整え、イライラ・不安感・落ち込みの軽減に役立つ
- 睡眠リズムが整いやすくなり、寝付きの悪さや中途覚醒の改善が期待できる
- 心肺機能を高め、息切れしにくい体をつくる
- 骨密度や筋力の維持にもプラスに働く >
目安として、1日20〜30分程度・週に3〜4回程度継続するといいでしょう。
ペースは、「会話はできるけれど、歌を歌うのは少しきつい」くらい。体調が不安定な時期なので、「毎日必ず30分!」と決めすぎず、その日の体調に合わせて時間やペースを調整することが長く続けるコツです。
筋力トレーニング
女性は40代以降、女性ホルモンの減少とともに筋肉量が自然と減りやすくなります。
筋力トレーニング(筋トレ)は、この「筋肉の減少スピード」をゆるやかにし、次のようなメリットをもたらします。
- 基礎代謝が落ちにくくなり、太りにくい体づくりにつながる
- 下半身の筋力がつくことで、膝や腰の痛みの予防に役立つ
- 姿勢が整い、肩こりや首こりが軽くなることも
- 骨に刺激が入り、骨粗しょう症の予防にもつながる
おすすめは
- スクワット
- 椅子からの立ち座り
- かかと上げ(ふくらはぎのトレーニング)
- ペットボトルを使った二の腕トレーニング
など、自宅でもできるシンプルな筋トレです。
頻度は週2〜3回、1回あたり10〜20分程度からで大丈夫。
重いダンベルを持たなきゃいけないというイメージよりも、「正しいフォームで、少しきついと感じる回数をコツコツ」の方が、更年期世代には安全で続けやすいです。
加圧トレーニング
長時間の運動は疲れてしまう、関節に負担をかけたくないという方には、
短時間・低負荷で筋力アップを目指せる加圧トレーニングも選択肢のひとつです。
加圧トレーニングは、専用のベルトで腕や脚の付け根を適度にしめ、血流をコントロールしながら、軽い負荷の運動を行う方法です。
低負荷でも筋肉に強い刺激が入りやすく、筋力向上や成長ホルモンの分泌促進などが期待できるとされています。
一方で、注意点も多い運動法です。
- 心臓病や重い高血圧、血栓症リスクの高い方
- コントロールが不十分な糖尿病の方
- 妊娠中の方など
は、医学的に加圧トレーニングを避けるべきとされています。
そのため、加圧トレーニングを行う場合は、必ず専門資格を持つトレーナーの指導のもとで行うこと、事前に医師のチェックを受け、自分に適しているか確認することがとても大切です。
エターナルフィットでも、お一人おひとりの体調・血圧・既往歴を確認しながら、必要な方にのみ、安全面を重視した上で加圧メニューを取り入れるようにしています。
症状別|更年期障害の効果的な運動
更年期の症状は人それぞれ。ここでは、代表的な悩み別に「取り入れやすい運動の方向性」をご紹介します。
だるさ・気分の落ち込み・イライラが強い方
- ゆっくりペースのウォーキング(1日15〜20分程度から)
- 深い呼吸を意識したストレッチやヨガ的な動き
- 寝る前の軽い体操(肩回し、股関節回しなど)
有酸素運動とストレッチを組み合わせることで、自律神経のバランスが整い、抑うつ症状の軽減や心理的なウェルビーイング向上に役立つとされています。
がんばる運動よりも、「気持ちよく息ができる運動」を選ぶのがポイントです。
ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)、汗が気になる方
- 室温が高すぎない時間帯のウォーキングや軽い自転車
- 水分をこまめに取りながらできる屋内エアロバイク
- 呼吸に合わせたリズム運動(軽いステップ運動など)
激しい運動や、暑い環境での運動は、かえってほてりを強めることもあるため、 「涼しい環境で、やや軽め〜普通くらいの強度」を目指しましょう。
肩こり・腰痛・関節痛が気になる方
- 関節にやさしいチェアスクワット(椅子を使った立ち座り)
- 太もも・お尻まわりの筋トレで、膝や腰を支える筋肉を強くする
- 肩甲骨まわりのゆっくりとしたストレッチ・チューブトレーニング
軽い筋トレとストレッチを組み合わせることで、血行が良くなり、筋肉のこわばりや痛みの軽減につながります。
痛みが強い場合や、腫れ・熱感がある場合は、自己判断で運動を増やさず、医師や理学療法士に相談しましょう。
体重増加・お腹まわりが気になる方
- まずはウォーキング+軽い筋トレをセットで行う
- エスカレーターではなく階段を使う、ひと駅分歩くなどの日常の「ながら運動」を増やす
- 週に数回、全身を使うサーキットトレーニング(有酸素+筋トレ)も効果的
更年期は、ホルモンバランスの変化で脂肪がつきやすくなりますが、筋肉量を維持しながら、有酸素運動で消費カロリーを増やすことで、体重・体脂肪のコントロールがしやすくなります。
更年期障害の運動のときの注意点
更年期世代の運動でいちばん大切なのは、「がんばりすぎないこと」と「続けられる形にすること」です。ここでは、運動をするときの注意点と、三日坊主にならないためのコツをお伝えします。
更年期の運動で大切なのは、「がんばりすぎない」ことです。
- 最初は軽い強度・短い時間から始め、少しずつ増やす
- ウォーミングアップとクールダウン(軽いストレッチ)を必ず行う
加圧トレーニングなど専門的なトレーニングを取り入れる場合は、 必ず専門家の指導のもと、医師の確認を受けたうえでとが重要です。
次のような症状が出たら、中止して医師に相談しましょう。
- 胸の痛み・締め付け感
- 強い動悸や息切れ
- いつもと違うめまい・ふらつき
- 我慢できない関節の痛み
運動継続のコツ
せっかく運動を始めても、「三日坊主」で終わってしまってはもったいないですよね。
更年期世代の方には、次のような工夫がおすすめです。
- 「5分だけやる」と決めてハードルを下げる(やっているうちに10〜15分続くことも多いです)
- 曜日と時間を決めて、生活の中に「運動の枠」を先に確保する
- 体重だけでなく、筋肉量や姿勢・体調の変化をチェックして、「変化が見える」工夫をする
- 一人だと不安な方は、トレーナーや仲間と一緒に取り組める環境を選ぶ
エターナルフィットでは、InBodyによる体組成測定や姿勢・動作チェックなどを行いながら、 数字と体感の両方で変化を確認していくので、モチベーションを保ちながら継続しやすい環境づくりを大切にしています。
まとめ
更年期は、誰にとっても「体と心の転換期」です。
だるさやイライラ、ホットフラッシュなどの不調が続くと、「もう年齢だから仕方ない」とあきらめてしまいがちですが、適切な運動を取り入れることで、症状の軽減や将来の病気予防につながることがわかっています。
大切なのは、自分の体調や症状を理解し一人で抱え込まず、今の自分に合った強度・頻度」の運動から始めることです。
エターナルフィットでは、内科クリニックと連携しながら、40〜60代の女性の更年期世代が安心して取り組めるメディカルフィットネスを提供しています。
「更年期だからこそ、これからの自分の体と向き合っていきたい」そう感じたタイミングが、始め時です。
ぜひ一度、エターナルフィットにご相談ください。あなたのペースで続けられる運動の形を、一緒に探していきましょう。
ぜひ、お気軽に体験パーソナルトレーニングにお越しください。




