「歩くと足首が痛い…」「階段の上り下りで足首に違和感がある」「捻った覚えはないのに、なぜか足首が痛い」
このような症状で悩んでいませんか?
足首は体重を支えながら歩いたり走ったりするため、日常生活の中でも大きな負担がかかる関節です。
そのため、スポーツによるケガだけでなく、加齢や運動不足、長時間の立ち仕事、歩き方の癖など、さまざまな原因で痛みが起こります。
一方で、「少し痛いだけだから」と放置してしまう方も少なくありません。しかし、足首の痛みの中には骨折や靭帯損傷、腱の炎症、変形性足関節症など、早めの治療が必要な病気が隠れていることもあります。
この記事では、足首が痛くなる主な原因や、痛む場所ごとに考えられる病気についてわかりやすく解説します。
足首の痛みはどんな原因で起こる?
足首には、骨・靭帯・筋肉・腱・軟骨・神経など、多くの組織が集まっています。そのため、どこに異常が起こるかによって痛みの原因も変わります。
まずは代表的な原因を見ていきましょう。
骨の異常
骨に問題がある場合は、歩くだけでも強い痛みを感じることがあります。
代表的なものとして、
- 骨折
- 疲労骨折
- 変形性足関節症
などがあります。
骨折
転倒やスポーツなどで強い衝撃が加わると骨折を起こすことがあります。
骨折すると、
- 強い痛み
- 腫れ
- 内出血
- 体重をかけられない
といった症状が現れることが多く、早めの整形外科受診が必要です。
疲労骨折
ジャンプやランニングを繰り返すスポーツだけでなく、仕事で長時間歩く方にも起こることがあります。
最初は「少し痛いだけ」と感じても、徐々に痛みが強くなることが特徴です。
変形性足関節症
加齢や過去の捻挫、骨折などの影響で関節の軟骨がすり減る病気です。初期は歩き始めだけ痛みますが、進行すると安静時にも痛みを感じることがあります。
靭帯損傷
足首のケガで最も多いのが靭帯損傷です。一般的には「足首の捻挫」と呼ばれています。多くは足首を内側へひねることで起こり、外側の靭帯が傷つきます。
症状としては、
- 腫れ
- 痛み
- 内出血
- 足首のぐらつき
などがあります。
「歩けるから軽症」と思われがちですが、靭帯が大きく切れている場合でも歩けるケースは少なくありません。適切な治療を行わないと、捻挫を繰り返しやすくなったり、将来的に変形性足関節症につながる可能性もあります。
腱・筋肉の炎症
足首を動かす筋肉は、腱となって足首周辺に付着しています。運動のしすぎや長時間の立ち仕事などにより、これらの腱へ負担がかかると炎症が起こります。
代表的なものとして、
- アキレス腱炎
- 後脛骨筋腱炎
- 腓骨筋腱炎
- 前脛骨筋腱炎
などがあります。
特徴としては、動き始めが痛い、運動後に痛みが強くなる、押すと痛いという症状がみられます。炎症が軽いうちに安静やセルフケアを行うことで改善しやすくなります。
神経の問題
足首そのものではなく、神経が原因で痛みやしびれを感じることもあります。代表的なのが足根管症候群(そくこんかんしょうこうぐん)です。
足首の内側を通る神経が圧迫されることで、
- 足裏のしびれ
- ピリピリした痛み
- 感覚が鈍い
といった症状が現れます。
また、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、腰から出ている神経が原因で足首周辺に症状が出ることもあります。痛みだけでなくしびれや筋力低下を伴う場合は、神経の病気も考慮する必要があります。
痛む場所別の原因
足首の痛みは、「どこが痛いか」を確認することで、原因をある程度絞り込むことができます。もちろん自己判断だけで診断はできませんが、受診の目安やセルフケアを考えるうえで重要なポイントになります。
外側が痛い
足首の外側が痛い場合、最も多い原因は足関節捻挫(外側靭帯損傷)です。特にスポーツや段差で足を内側にひねった後から痛みがある場合は、外側の靭帯を傷めている可能性があります。
そのほか、
- 腓骨筋腱炎
- 腓骨の疲労骨折
- 足関節の軟骨損傷
なども考えられます。
痛みが続く場合や腫れが強い場合は整形外科を受診しましょう。
内側が痛い
足首の内側は、外側よりも原因が多く、放置すると悪化しやすい部位です。
代表的なものとして、
- 後脛骨筋腱炎
- 三角靭帯損傷
- 足根管症候群
- 疲労骨折
などがあります。
特に扁平足の方は、後脛骨筋へ負担が集中しやすく、歩くたびに内側が痛くなることがあります。しびれを伴う場合は神経の病気も疑われます。
前側が痛い
足首の前側が痛い場合は、
- 前脛骨筋腱炎
- 足関節前方インピンジメント症候群
- 関節炎
などが考えられます。
サッカーやランニングなどで足首を繰り返し使う方に多くみられます。また、しゃがむ動作や階段を下りるときに痛みが強くなることも特徴です。
後ろ側が痛い
後ろ側が痛い場合は、アキレス腱に原因があるケースが多くみられます。
代表的なものは、
- アキレス腱炎
- アキレス腱周囲炎
- 滑液包炎
などです。
朝起きて最初の一歩が痛い、運動後に痛みが強くなるという方は、アキレス腱への負担が原因かもしれません。また、ふくらはぎの筋肉が硬い方もアキレス腱に負担がかかりやすいため、ストレッチなどで柔軟性を高めることが大切です。
足首の痛みで多い疾患
足首の痛みは、軽い疲労から治療が必要な病気までさまざまです。ここでは、整形外科でよくみられる代表的な疾患をご紹介します。
捻挫(足関節捻挫)
足首の痛みで最も多いのが足関節捻挫です。スポーツ中だけでなく、階段の踏み外しや段差で足をひねるなど、日常生活でもよく起こります。
多くの場合は足首を内側へひねることで外側の靭帯を損傷します。
主な症状
- 足首の外側が痛い
- 腫れや内出血がある
- 歩くと痛い
- 足首がぐらつく感じがする
「歩けるから軽い捻挫」と自己判断してしまう方もいますが、靭帯が部分的に切れていても歩けるケースは少なくありません。適切な治療を受けないと、捻挫を繰り返したり、将来的に変形性足関節症につながる可能性もあります。
腱鞘炎・腱炎
足首の周りには多くの腱があり、繰り返し負担がかかることで炎症を起こすことがあります。
代表的には、
- アキレス腱炎
- 後脛骨筋腱炎
- 腓骨筋腱炎
- 前脛骨筋腱炎
などがあります。
主な症状
- 動き始めに痛い
- 運動後に痛みが強くなる
- 押すと痛い
- 腫れや熱感がある
特にランニングやウォーキングを始めたばかりの方や、立ち仕事が多い方にみられます。
変形性足関節症
関節の軟骨がすり減ることで痛みが生じる病気です。膝の変形性関節症ほど多くはありませんが、過去に捻挫や骨折を繰り返した方は発症しやすいといわれています。
主な症状
- 歩き始めに痛い
- 長時間歩くと痛い
- 足首が動かしにくい
- 関節が腫れる
初期は休憩すると痛みが軽くなることもありますが、進行すると日常生活にも支障をきたすことがあります。
疲労骨折
疲労骨折は、一度の大きな衝撃ではなく、小さな負担が繰り返しかかることで起こる骨折です。
スポーツ選手だけでなく、
- 長時間歩く仕事
- ウォーキングを始めたばかり
- 急に運動量が増えた
という方にも起こることがあります。
主な症状
- 運動すると痛い
- 押すと強く痛い
- 徐々に痛みが悪化する
初期のレントゲンでは異常が見つからないこともあるため、痛みが続く場合は整形外科を受診しましょう。
痛風
突然足首が赤く腫れ、激しい痛みが出た場合は痛風の可能性もあります。一般的には足の親指に起こることが多いですが、足首にも発症することがあります。
主な症状
- 突然の激痛
- 赤く腫れる
- 熱を持つ
- 少し触れるだけでも痛い
発熱を伴うこともあり、自己判断せず医療機関を受診することが大切です。
病院へ行くべき症状
足首の痛みの中には、自宅で様子を見ても良いケースもありますが、早めに受診した方が良い症状もあります。
次のような症状がある場合は、整形外科の受診をおすすめします。
- 足に体重をかけられない
- 強い腫れや内出血がある
- 痛みが1週間以上続く
- しびれや感覚異常がある
- 足首が変形している
自宅でできるセルフケア
足首の痛みが慢性的な場合や、炎症が落ち着いてきた時期には、ストレッチやセルフケアを取り入れることで足首への負担を軽減できることがあります。
※強い痛みや受傷直後は無理に行わず、医師の指示に従ってください。
1、ゴルフボール・テニスボールで足裏をほぐす
血流改善、足首の動き改善、疲労軽減につながります。
- 椅子に座ります。
- ゴルフボールまたはテニスボールを足裏へ置きます。
- 前後左右へ1~2分転がします。
※強く押しすぎないよう注意しましょう。
2、足底筋膜のストレッチ
足の裏の柔軟性が低下すると、足首への負担も大きくなります。
- 椅子に座ります。
- 足の指を手で反らせます。
- 足裏が伸びる位置で20〜30秒キープします。

3、 足首の曲げ伸ばし運動
足首をゆっくり動かすことで、関節の動きを保ち、血流改善も期待できます。
- 椅子に座る、または仰向けになります。
- 足首をゆっくり上へ反らせます。
- 次に下へ伸ばします。
- 10〜15回繰り返します。
5、タオルギャザー
足の裏の筋肉を鍛えることで、足首の安定性向上につながります。
- 床にタオルを敷きます。
- 足の指でタオルをたぐり寄せます。
- 1〜2分程度行います。
まとめ
足首の痛みは、捻挫だけでなく、靭帯・腱・骨・神経などさまざまな原因によって起こります。
また、「外側」「内側」「前側」「後ろ側」など、痛む場所によって考えられる原因が異なるため、痛みの場所や症状を把握することが大切です。
痛みが軽い場合でも、放置することで症状が長引いたり、関節の変形や慢性的な痛みにつながることがあります。足首は、立つ・歩く・走るなど、日常生活のあらゆる動作を支える重要な関節です。
「少し痛いだけだから」と放置せず、原因に合った適切な対処を行うことが、痛みの改善や再発予防につながります。
気になる症状が続く場合は、早めに医療機関へ相談するようにしましょう。



